ご質問ありがとうございます!
クラリネットで歯切れの良いスタッカートを吹くのは、多くの人にとって難しい課題ですよね。
短く切ろうとすればするほど音が硬くなったり、逆に響きがなくなったり。
スタッカートのコツはシンプルに「舌」「息」「アンブシュア」の三本柱に集約されると考えています。
①舌
スタッカートは舌の動きが大きいほど難しくなります。
理想は「舌先でリード先端に軽く触れる」だけ。ほんのわずかに、最短距離で触れて離れる。
イギリスの名手 レジナルド・ケル の言葉をご紹介します。
「舌の動きは、まばたきの4分の1でよい。
口やあごの余計な動きは、問題を増やすだけだ。」
この言葉どおり、舌は常にリードの近くに待機させ、無駄な動きを削る。
それだけでアタックの明瞭さは格段に増します。
でも、これが一番難しい気がします。
音を出している時も舌がリードから離れすぎてはいけません。わずか数ミリ付近でキープしているのがベストです。
②息
多くの人が短い音を出そうとして息まで止めてしまいますが、それではスピードも響きも失われます。
スタッカートは「息を流し続ける中で、舌が音をオンオフする」奏法です。
アメリカを代表するクラリネット奏者であり教育者のロバート・マルセラス はこう強調しています。
「音色も発音も、すべては息のスピード次第。」
ロングトーンと同じ支えを保ったまま舌で区切ること。
それが、短い音でも芯のある響きを保つ唯一の方法です。
③アンブシュア
舌を動かしたときに下あごまでガクガク動いてしまうと、音が乱れます。
スラーと同じ口の形をキープし、「噛まないけれど固定する」バランスを保つ。
舌だけを独立させることが、均一で美しいスタッカートにつながります。
先ほどマルセラスの言葉を紹介しましたが、こんな言葉も残しています。
「短い音も、美しいレガートと同じ音質で」
つまり、美しい音を保ったまま舌で区切る。
ロングトーンが土台にあるからこそ、スタッカートにも響きが宿ります。
ではどうやって練習するか。
実践におすすめなのが「ロングトーン+区切り練習」です。
一つの音を伸ばしながら、一定の間隔で舌を軽く当てて区切ってみましょう。
(例:4拍伸ばす中で各拍の頭だけ舌で区切る → ターターターター)
この練習を繰り返すと、スラーとスタッカートの音質差がなくなり、
短い音でも豊かに響く感覚がつかめます。
舌、息、アンブシュアの3つが揃って初めて美しいスタッカートが生まれます。
焦らずにじっくり練習してみてください。
また何か質問があれば是非お聞かせ下さい!