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速いパッセージで焦って力んでしまうときの対策は?

速いパッセージを練習する時、目標の倍のテンポから始めるのですが、だんだん速くしていくと焦りが出てくるのか、手汗がすごいです。身体も力んでくるような気がします。どんな対策をすればいいでしょうか?

メトロノームの目盛りを上げた後にいきなり音を出さずに口で歌ってから実際に音を出して練習するようにはしています。

26/7/18

​公開日:

ご質問ありがとうございます。


良い練習をされていますね。

実際に歌うことは大切です。

だけど速いテンポになるとやっぱり焦りが出る。

すごく自然なことです。まずは安心してくださいね。


原因を考えてみましょう!

ご質問を読んで感じたのは、「メトロノームに頼って合わせようとしすぎる」 ことです。

自分の中にメトロノームを持つことが大切です。

メトロノームにおんぶしてもらって進むのでなく、メトロノームの隣を一緒に歩いていくイメージが良いです。

本来メトロノームは“確認の道具”ですが、外の音に自分を合わせようとするほど、気持ちが追い立てられてしまいます。


その結果、次の3つの側面で焦りが出てきます。


①外的な要因(メトロノームやテンポ設定)

カチカチが細かく聞こえると「急がなきゃ」と感じやすい。

②内的な要因(身体・心理の反応)

速くなると呼吸が浅くなり、体がこわばり、手汗や力みに直結。

③認知的な要因(音の捉え方)

16分音符を一つ一つ追うと、頭が忙しくなり余裕がなくなる。この3つが重なると「焦り」という形で表れるんです。


外的な工夫(メトロノームの設定)内的な工夫(呼吸や体のリラックス)捉え方の工夫(大きな拍で感じる)この3方向から対策をするのが効果的です。そして最終的に「自分の中でテンポを維持する力」を育てていきましょう。


【メトロノームの工夫】

① 四分単位で鳴らしていたら、二分単位に切り替える四分音符=120で練習していたら、二分音符=60にする。拍を大きく感じられて、“カチカチに追われる感覚”が和らぎます。


②“劇薬”で目標より速いテンポに一度触れるめちゃくちゃ速いテンポ、目標を超えるテンポで数回トライ→戻ってくると目標テンポがゆっくりに感じられます。速いテンポに慣れることも大切です。マラソンの高地トリーニングのイメージ。※音の質が崩れそうならすぐ撤退でOK。


③ 裏拍&拍位置バリエーションで鍛える

A. 【裏拍(8分の裏)で鳴らす】「1 と 2 と 3 と 4 と」の“と”にクリックを置きます。※ここでの“裏拍”は8分音符の裏のことです。

B. 【1拍、3拍でメトロノームを鳴らす】【2拍、4拍にメトロノームを鳴らす】


【内的な工夫】

速いパッセージを練習するとき、あえて「ピアノ=小さな音」で吹いてみるのもおすすめです。ここでは鳴るか鳴らないかの音でもいいですし、振り切って息だけ入れて指だけ動かすでも効果があります。体の力みがどうなっているか観察してみてくださいね。


小さな音で吹くと体が自然とリラックスし、息を無駄なくまっすぐに使えるようになります。


音量を抑えても安定して吹ければ、本番で大きく吹くときにも余裕が生まれます。


【気持ちの持ち方】

・大きくとらえる16分音符を一個ずつ追うほど心は急ぎます。8個をひとまとまり、あるいは1小節を一流れとして捉えてみてください。速いほど、気持ちは“ゆっくり吹く”。逆説のようですが、ここが真理です。


・音楽的にとらえるひとつひとつの音符から、熱量や方向性を読み取り、音と対話して音楽の流れを作っていくのもおすすめします。


テンポをあげていく作業はどうしても機械的になってしまいます。その作業をすると自分のなかのテンポが育ちにくくなるのも事実です。

ですから、音楽的な流れを作って、フレーズを歌って練習するのも効果的です。いずれも最終的なゴールは、“自分の中のメトロノーム”を持つこと。

これができると、どんなテンポでも安心して演奏できるようになります。焦らずじっくり練習してみてください。

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